ツーリングしていると、雨が降ったり止んだりの天気って結構あります。
最悪なのはカッパを着た途端に雨が止む^^;
だったら全天候型のウエアで武装したら楽なのでは?
そんなありがちな理由で「アクアジャケット」を買ってみました。
この製品は43,000円+税もする高級ライディングウエアです。
普通は買うのに躊躇しますよね?
果たしてこの製品はいかに?
写真多めで解説します!
- 価格に見合った性能なのか?
- 全天候型ライディングウエアの使いごこちは?
- 真夏や真冬にも使えるのか?
- 買いか?
KUSHITANI AQUA JACKET K-2350とは
クシタニさんの製品紹介ページにある解説文を引用します。
▼個人的に気になった文言を太字にしました。
圧倒的な軽さで本格的なツーリングや長時間のライディングを得意とするジャケット。高い耐水圧・透湿性で雨具を必要とせず日中の暑くなったジャケット内を換気する機能も装備。天候を気にすることなくこの一着で快適に旅することができます。立体感のある素材にプリントデザインなどでクラス感のある一着に仕上げています。
1つずつ解説しましょう。
高い耐水圧・透湿性
この製品の一番気になるところはココでしょう!
▼アクアジャケットの防水性能はこんな感じです。
- 初期耐水圧:30,000mm
- 透湿性:19,000g/㎡/24H
初期耐水圧というのは、買った時の初期性能の事を言うようです。
つまり、使い続けると劣化して耐水圧は落ちていきます。
コレってどの程度の性能なのでしょうか?
全天候型ウエアの王者、GORE-TEXと比較してみましょう!
GORE-TEX製品との比較
GORE-TEX | AQUA JACKET | |
---|---|---|
耐水圧 | 45,000mm | 30,000mm |
透湿性 | 13,500g/㎡ | 19,000g/㎡ |
AQUA JACKETの性能は合格!
調べてみると、耐水圧は20,000mmあれば嵐の中でも使える性能のようです。
前述した初期耐水圧のことも考えると、アクアジャケットの余裕のある30,000mmという性能は必要十分!
透湿性もGORE-TEXより優れているので問題なし!
総合してアクアジャケットの防水スペックは合格でしょう!
ジャケット内を換気する機能
これも気になる機能ですね。
特にカッパは蒸れる。
ベンチレーション性能はいかほどの物か?
結論を言うと、私には最低限の換気機能で、ちょっと微妙な製品だと思いました。
感じ方は人それぞれなので、次の写真集を見て判断してください。
AQUA JACKETの詳細と感想
▼表側のベンチレーションは2箇所のみ。手触りはザラザラしていて分厚いレインウエアって感じ。
▼首周りにはバタつき防止のマジックテープとボタンがあるが取れやすい。ボタンはどこに付ければいいのか不明。
▼表側の胸ポケットはカード類やレシート向けのサイズ
▼胸ポケット部分のアップ。iPhone11Proはギリギリ入る容量。
▼腕のベンチレーション。ボタンで開放状態を維持できる。サイズは18cm。
▼腕の太さは2段階に調整可能
▼内側にポケットが一つ。かなり深くて500ccのペットボトルなら余裕。
▼首回りのアップ。所有感高まる高級感。
▼後ろ全体
▼背中のベンチレーション。必要十分な広さ。バタつき防止のマジックテープあり。
▼腰回りは3段階に絞れる。巨漢でもOK。
▼プロテクターは肘・肩・背中にあり。肘と肩は柔らかいゴム素材だけど安心感あり(エアーCEプロテクター)。背中はソフトパッドなのでおまけレベル。
▼前から。私のスペックは身長176cm、体重68kg。サイズはLLです。この状態で中に重ね着できる余裕あり。ゴワついた感じはなく軽い。
▼横から
▼後ろから
アクアジャケットのメリット
私が思うアクアジャケットのメリットは次の3つです。
- 必要十分な防水性能
- しっかりした造り
- シンプルなデザイン
防水性能は試していません^^;
ただし、触った感じと先に解説した防水性能から判断すると、不満は無し。
カッパの下だけ持っていれば十分。荷物も減るので良いと思います。
価格相応のしっかりした造りで、生地がほつれそうにありません。
シンプルなデザインは、ガチゴリのライダージャケットと違って、このまま街中を歩いてもおかしくないでしょう(個人差あり)。
アクアジャケットのデメリット
私が思うアクアジャケットのデメリットは次の2つです。
- 中途半端なベンチレーション
- 雨天時は袖(そで)から浸水する
ひとつずつ解説しましょう。
中途半端なベンチレーション
この製品がカッパと違うところは、防水ジャケットなのにベンチレーションがあることでしょう。
しかし、前面のベンチレーションが上腕部のみというのが痛いです。
しかも開口サイズはそれほど大きくない(18cm)。
▼前面のジッパーを半開にして走行すればいいのですが、首周り固定用のマジックテープが弱く、走行中は外れてバタつきます。
▼そして、意味不明のボタン…。このボタンはどこにハメれば良いかわかりません^^;
個人的に胸部にもベンチレーションがあれば完璧だったのですが … 残念です。
▼このジャケットはREVITのSAND3というエンデューロジャケットです(防水ではありません)。このようにベンチレーションが豊富だと、あらゆる気温に対応できて理想的なのですが、クシタニにはこのような製品は無いようです。
ちょっと欲張りすぎかもしれませんが、43,000円もするならやって欲しかったポイントです。
クシタニのジャケットってデザイン重視で機能は二の次って言うのが本音。
雨天時は袖(そで)から浸水する
袖の部分の止水機能は、一般的なレインウエアと同じです。
▼手首までの普通のショートグローブだと、雨天時は袖から雨が浸水します。
▼比較対象として、クシタニにはストレッチレインスーツ K-3025という30,000円もする高級カッパがあります。
▼こちらは袖とパンツの裾(すそ)が二重構造になっていて、浸水しないような工夫がされています。
ちょっと欲張りすぎかもしませんが、アクアジャケットは万能ではないと言う事を伝えたかっただけです^^;
【まとめ】アクアジャケットは微妙な製品
▼冒頭の疑問点を回答すると、こんな感じです。
- 価格に見合った性能なのか?
> 値段相応の丁寧な造り
> ベンチレーション性能は低い - 全天候型ライディングウエアの使いごこちは?
> 軽い
> 防水性能は問題無し
> 街中でも着れるデザイン - 真夏や真冬にも使えるのか?
> 夏の使用はムリ
> 初冬は重ね着でイケる
> 厳冬期はヤメた方が無難 - 買いか?
> 微妙(後述)
アクアジャケットが活躍できるシーンは?
使ってみて思いましたが、このジャケットは春と秋の2シーズン限定で、チョイ乗りの日帰りか1〜2泊程度のツーリングが限界。
日帰りならば、雨が降るか微妙な天気の時に重宝するでしょう。
ベンチレーションが中途半端なので、季節の変わり目には向いていません。
私の場合は、1週間程度のガチなツーリングがメインなので、カッパの方がオールシーズン使えて良いと思いました。
結局、私は先に紹介したクシタニのストレッチレインスーツK-3025を愛用しています。
▼K-3025の使い勝手については、2020年北海道ツーリングレポートを参考にしてください。
アクアジャケットは買いか?
普通のライデンングジャケットとして見れば、かなり高機能。
しかし、欲張りすぎると物足りない製品。
このことは、クシタニのジャケット全てに当てはまるでしょう。
上記に納得できれば買っても良い製品。
でも、私はオススメしません。
自分の所有物だからハッキリ言いましょう!こんなハンパもん買わなきゃよかった^^;
評価はバイクスタイルによって変わってくると思います。
あくまで一個人の使用感として、参考にしていただければ幸いです。