Feiyuの新型3軸小型ジンバルカメラ「Feiyu Pocket 2」「Feiyu Pocket 2S」を使用したのでレビューします。
- 世界初の「レンズセパレート型」と「一体型」はどちらが良いの?
- ライバルのDJI Pocket 2、Osmo Pocketとどちらが良いの?
- どんなデメリットがあるの?
気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
写真と動画で解説します!
※販売前の試供品のテストなので、実際に販売される製品と違う場合があることを予めご了承ください。
(検証ファームウェア:2.0.1)
Feiyu Pocket 2/2Sのスペック比較
文中ではFeiyu Pocket 2を「FP2」とし、Feiyu Pocket 2Sを「FP2S」と略します。
FP2とFP2Sのカメラ部分は「見た目は同じ」ですけど性能が違います。
スペック表で違いを確認しましょう。
赤字:優れている
青字:劣っている
Feiyu Pocket 2 | Feiyu Pocket 2S | Feiyu Pocket 初代 | |
---|---|---|---|
タイプ | 一体型 | セパレート型 | 一体型 |
サイズ | 124.6 x 40.6 x 29.8 | 170 x 42.6 x 30.5 | 124.5 x 40.5 x 30 |
重さ | 127g | 179g | 115g |
素材 | 航空アルミニウム合金 PC/ABS | 航空アルミニウム合金 PC/ABS | アルミニウム合金 プラスチック |
レンズ | 130°、F2.0 | 130°、F2.0 | 120°、F2.8 |
ディスプレイ | 1.3インチ | 1.3インチ | 1.3インチ |
有効画素数 | 1200万 | 851万 | 851万 |
センサー | 1/2.3インチ | 1/2.5インチ | 1/2.5インチ |
最大動画解像度 | 4K/60fps | 4K/60fps | 4K/60fps |
動画モード | ・動画 ・タイムラプス ・モーションプラス ・ハイパーラプス ・スローモーション | ・動画 ・タイムラプス ・モーションプラス ・ハイパーラプス ・スローモーション | ・動画 ・タイムラプス ・モーションプラス ・ハイパーラプス ・スローモーション |
電子ズーム | 4倍 | 4倍 | X |
外付けマイク (TYPE-C接続) | 対応 | 対応 | X |
スピーカー | 内蔵 | 内蔵 | X |
磁石固定 | ◯ | ◯ | X |
ジョイスティック | ◯ | ◯ | X |
三脚穴 (1/4インチ) | 内蔵 | レンズ用三脚ベース付属 | 内蔵 |
HDMI出力 | X | ◯ | X |
Wi-Fi | ○ | ○ | ○ |
バッテリー容量 | 875mAh | 875mAh | 875mAh |
稼働時間 (4K/30fps) | 190分 | 180分 | 210分 |
価格 | ※32,990円〜 (43,500円) | ※33,890円〜 (45,000円) | 32,450円 |
スペック表だけで判断すると、各モデルの特徴は次のようになります。
- Feiyu Pocket 2が一番画質が良い
- Feiyu Pocket 2Sは初代Feiyu Pocketをベースにしている
DJI/Osmo Pocketシリーズとスペック比較
参考までにライバルのDJI/Osmo Pocketシリーズと主要スペックを比較すると次のようになります。
赤字:優れている
青字:劣っている
Feiyu Pocket 2 | Feiyu Pocket 2S | DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|---|---|
タイプ | 一体型 | セパレート | 一体型 | 一体型 |
サイズ | 124.6 x 40.6 x 29.8 | 170 x 42.6 x 30.5 | 124.7 x 38.1 x 30 | 121.9 x 36.9 x 28.6 |
重量 | 127g | 179g | 117g | 116g |
画角 | 130° | 130° | 93° | 80° |
F値 | F2.0 | F2.0 | F1.8 | F2.0 |
画素数 | 1200万 | 851万 | 6400万 | 1200万 |
センサー | 1/2.3インチ | 1/2.5インチ | 1/1.7インチ | 1/2.3インチ |
HDR撮影 | X | X | ○ | X |
磁石固定 | ◯ | ○ | X | X |
ジョイスティック | ○ | ◯ | オプション | オプション |
三脚穴 | ◯ | レンズ用 三脚ベース付属 | オプション | オプション |
Wi-Fi内蔵 | ◯ | ◯ | オプション | オプション |
広角レンズ | ◯ | ◯ | オプション | オプション |
価格 | ※32,990円〜 (43,500円) | ※33,890円〜 (45,000円) | 49,500円(通常版) 56,100円(コンボ) | 45,650円 |
▼スペックのまとめ
- 画角はFeiyu Pocket 2/2Sが圧倒的に広い
- Feiyu Pocket 2の画質は初代Osmo Pocketと同レベル
- Feiyu Pocket 2Sの画質が一番悪い
- DJI/Osmo Pocketシリーズのオプションは必須アイテム
- DJI Pocket 2の画質は桁違いに良い
▼Osmo Pocketを使用していましたが、オプションが無いと使いにくい製品でした。
Feiyu Pocket 2/2Sは、DJI/Osmo Pocketで必須な以下のオプションが内蔵されているのがポイントです。
- ジョイスティック
- 三脚穴
- Wi-Fi
- 広角レンズ(ワイコン)
特に広角レンズはオプションよりも内蔵していた方が圧倒的に便利!
▼Osmo Pocketで苦労した内容は関連記事をご覧ください。
GoPro HERO9とスペック比較
関連記事で詳しくまとめています。
- FP2S vs HERO9+MAXレンズモジュラーのモトブログ比較
- ブレ補正比較
- FP2のサンプル動画(自撮り棒マウント)
- メリット・デメリット
- どちらが良いのか?
▼GoPro HERO9 + MAXレンズモジュラーとの比較動画
Feiyu Pocket 2/2Sの開封チェック
付属品と特徴を写真で解説します。
Feiyu Pocket 2
▼ハードケース、TYPE-Cケーブル、ストラップ、マニュアル(英語と中文)
▼ジョイスティックと1/4インチ三脚穴
▼TYPE-Cとメモリーカードスロット
Feiyu Pocket 2S
▼ソフトケースの他、ウエアラブルマウントが付属する
▼本体に三脚穴は無く、側面にマイクロHDMIを持つ
▼TYPE-Cとメモリーカードスロット
▼三脚穴付きのマグネットベースと、ウエアラブルストラップ
▼ウェアラブル方法の一例。レンズケーブル長は約92cm(実測値)
▼GoProマウントにも固定が可能
Feiyu Pocket 2/2S共通
▼両機種とも背面はマグネットになっている
▼アイデア次第でいろいろなマウントアレンジが可能
▼設定メニューの初期画面。FP2Sにはウェアラブルモードの切り替え機能が追加されている。1.3インチの液晶はタッチパネルになっていて、反応はかなり良いです。
FP2Sには「ウエアラブルモード」と「通常モード」がありますが、何が違うのか全く分かりませんでした。
FP2SはFP2のような「手持ち撮影」も可能。しかし、サイズが大きいのとコードが邪魔であまり向いていません。
Feiyu Pocket 2/2Sの実写比較
動画と写真でサンプルを撮影してみました。
【動画比較】4K/60fps
FP2/FP2Sともに画角は「広角無効」「広角」「超広角」の3つから選べます。
▼4K/60fps/最高画質/超広角のサンプル映像です。
【動画の目次】
0:18 Feiyu Pocket 2の4Kフルスクリーン
0:36 Feiyu Pocket 2Sの4Kフルスクリーン
【写真比較】
次は写真で画質を比較します。
FP2/FP2Sともに画角は「広角無効」「広角」「超広角」の3つから選べます。
「広角無効」撮影サンプル
▼Feiyu Pocket 2
▼Feiyu Pocket 2S
「広角」 撮影サンプル
▼Feiyu Pocket 2
▼Feiyu Pocket 2S
「超広角」 撮影サンプル1
▼Feiyu Pocket 2
▼Feiyu Pocket 2S
「超広角」 撮影サンプル2
▼Feiyu Pocket 2
▼Feiyu Pocket 2S
Feiyu Pocket 2/2Sカメラ性能まとめ
写真を見れば一目瞭然ですが、FP2Sの超広角は「ゆがみ」が目立ちます。
スペック上はFP2/FP2S共にに130°/F2.0ですが、FP2の方が広くて明るい映像になります。
これは動画でも同じで、FP2Sの「超広角:130°」は、よく目を凝らすと周辺がFP2より処理が雑です。
販売戦略なのか技術的な問題なのか分かりませんが、カメラ性能がFP2とFP2Sで違うのが残念。
▼画素数で比較したFP2/2Sのカメラ画質は次のようになります。
- Feiyu Pocket 2 = iPhone 12レベル
- Feiyu Pocket 2S = 安価なスマホレベル
手軽にジンバルを活用した撮影を「どう使うか」で価値感が変わります。
特にFP2Sは唯一無二のレンズセパレート設計なので、画質よりも撮影パターンを重視したい人に向いています。
Feiyu Pocket 2/2Sの良い点と悪い点
実際に使ってみて感じた2機種の良い点と悪い点を解説します。
Feiyu Pocket 2の良い点
- 画質が良い
- 画角が他機種より広い
- 他機種ではオプションの機能が標準装備
- ポケットからサッと出してパッと撮影に向いている
広角側の「ゆがみ」が少なく、DJI/Osmo Pocketシリーズではオプションの機能が標準搭載されていてかなり使いやすいです。
三脚や自撮り棒を使った撮影ならGoProよりもFeiyu Pocket 2の方が優れています。
▼総合的にスマホ用ポケットジンバルよりもFeiyu Pocket 2の方が機動力が高くて使い勝手が良いです。
Feiyu Pocket 2の悪い点
- 画質がDJI Pocket 2より劣る
- ウェアラブル撮影は出来るけど面倒
画質優先ならDJI Pocket 2が最強です(1/1.7インチセンサー/6400万画素/F1.8)。
ただし、DJI Pocket 2はオプションのワイコンを付けてもFeiyu Pocket 2より画角は狭いです。
ウェアラブル撮影時は、画角の調整やマウントが面倒でFeiyu Pocket 2Sに使い勝手で負けます。
Feiyu Pocket 2Sの良い点
- 画角が他機種より広い
- 唯一無二のウェアラブル特化型
- 他機種ではオプションの機能が標準装備
画角は広いのですが、超広角で「ゆがみ」が目立つ欠点もあり。
Feiyu Pocket 2Sを選ぶポイントは「ウェアラブル撮影をするかどうか」です。
Feiyu Pocket 2Sの悪い点
- 撮影までの準備が面倒
- 画質がFeiyu Pocket 2よりも悪い
- HDMI端子よりも三脚穴が欲しかった
ウェアラブルの準備をするのが少々面倒です。
画質は他機種と見比べてしまうとアラが目立ちます。
HDMI端子は需要があるから内蔵したのでしょうが、個人的に必要性を感じませんでした。
自立しにくいバランスの悪いデザインなので、レンズだけでなく本体の方にも三脚穴があった方が便利だと感じました。
Feiyu Pocketおすすめオプション
▼Feiyu Pocket 2で自撮り棒撮影をするなら、スマホホルダーが付いているPGYTECHのこの製品が良いです。
▼三脚としても使えます。
PGYTECH製のパーツは造りが良くておすすめです。
▼ウェアラブルを撮影するときには「クリップマウント」も必須です。
▼クリップマウントも色々使いましたが、激安のもので十分です。
▼このような三脚マウントアダプターも必要。激安品を探してください。
【まとめ】唯一無二の価値をうまく使おう
Feiyu Pocket 2/2Sは、それぞれが持つ唯一無二の価値をうまく使えれば「最強カメラ」です。
- ポケットからサッと取り出してパッと撮影したい = FP2
- ウェアラブルで撮影したい = FP2S
使い勝手はOsmo Pocketシリーズよりも圧倒的にFeiyu Pocket 2の方が良い。
特にウェアラブルのFeiyu Pocket 2Sは貴重な存在です。
実際に使ってみた感想ですが、Feiyu Pocket 2よりも2Sの方が使っていて面白いカメラでした。
購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
以上、参考になれば幸いです!