GoPro HERO9のオプションであるMAXレンズモジュラーを「モトブログ目線」で徹底チェックしてみました。
果たしてこの大人気オプションの実力はいかに?
結論を言うと、微妙な製品です。
購入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください!
MAXレンズモジュラーとは?
GoPro HERO9専用のオプションで、次のような特徴があります。
- 画角が14mm相当(Max SuperView)
- 360度の水平維持が可能
▼まとめると次のような感じです。
赤字:優れている
HERO9 + MAXレンズ | HERO9 | |
---|---|---|
最大画角 | 14mm (MAX SuperView) | 16mm (SuperView) |
水平維持画角 | 14mm (MAX SuperView) | 19mm (リニア) |
水平維持角度 | 360° | 45° |
60FPSの最高解像度 | 2.7K | 4K |
重量(実測値) | 223g | 193g |
モトブログは広い画角で撮影すると爽快感が増すので、14mmは魅力的です。
水平維持機能は、文字通りカメラを傾けても水平を維持してくれる機能。
画角と水平維持がパワーアップするので、MAXレンズはモトブロガーさんにとって必須オプション!(と、思っていました)
デメリットは撮影できる最大解像度が下がってしまうこと。
▼あと、本体がかなりデカくなることでしょうか。
まとめ動画|2台のHERO9で徹底検証
【この動画の目次】
**画角・ゆがみチェック**
00:15 HERO9+MAXレンズモジュラー vs GoPro MAX MAX SuperView
01:42 HERO9+MAXレンズモジュラー vs SuperView
03:18 HERO9 SuperView vs 広角
04:12 HERO9 SuperView vs リニア
**画質チェック**
05:12 HERO9+MAXレンズモジュラー vs GoPro MAX
**ブレ・水平維持チェック**
06:13 HERO9+MAXレンズモジュラー vs GoPro MAX
06:33 HERO9+MAXレンズモジュラー vs SuperView
06:55 HERO9+MAXレンズモジュラー vs リニア
07:18 HERO9 SuperView vs リニア
07:41 HERO9 SuperView vs 広角
08:04 まとめ
開封チェックと装着
▼箱
▼内容物(レンズクリーナー、レンズ本体、説明書類2部)
▼レンズケース
▼レンズ裏側
▼標準レンズカバーを回して外す
▼レンズ装着時
MAXレンズモジュラーのサイズチェック
レンズ装着時のサイズ・重量をチェックしてみました。
大きさチェック vs ノーマルHERO9
▼真上から
重量チェック vs ノーマルHERO9
▼レンズモジュラー装着時(バッテリー装着済)
▼ノーマル(バッテリー装着済)
画角チェック vs ノーマルHERO9
▼なんと!MAXレンズをつけても画角は劇的に広くなりません!
ほとんど変わらない … というか微妙に狭くなります!
▼特に縦幅がMAXレンズを付けると狭くなる!
▲横幅も狭くなっているように見えますが、標準レンズ+SuperViewの映像が「横に引き伸ばされている」のが原因と思われます。
ただし!
▼標準レンズのSuperViewモードで顕著だった「ゆがみ」が抑えられています。
つまりこのレンズは標準レンズ+SuperViewモードの「ゆがみ」を補正するパーツだと思います。
標準レンズのSuperViewって16mm相当なのですが … MAXレンズの14mmの方が狭い。
なんだかよくわからない製品なので、購入を検討している方は注意した方が良いでしょう。
GoPro MAXと比較してみた
HERO9+MAXレンズと同じく、MAX SuperViewを使えるGoPro MAXと比較してみましょう。
性能比較 vs GoPro MAX
▼赤字:優れている
HERO9 + MAXレンズ | GoPro MAX | |
---|---|---|
画素数 | 20M | 16.6M |
最大解像度(16:9) | 2.7K / 60FPS | 1080p / 60FPS |
MAX SuperView画角 | 14mm | 13mm |
ブレ補正 | MAX HyperSmooth | ← |
バッテリー容量 | 1,720mAh | 1,600mAh |
防水性能 | ※5m | 5m |
外部マイク | 対応 | 非対応 |
※MAXレンズを取り付けると防水性能が5mになります(非装着時は10m)。
HERO9の外部マイク接続は使いにくいメディアモジュラーか、外部マイクアダプターを使う必要あり。
GoPro MAXが優れている点は、(スペック上は)画角だけです。
でも、このレンズを使う目的って画角を広くすること。
画角は最重要ポイント!
画角チェック vs GoPro MAX
上の比較表どおり、GoPro MAXの方が広い。
▼14mmと13mmの差ってこんなに違うのかと実感しました。
MAXレンズってホントに14mmなのか疑わしいです。
画質チェック vs GoPro MAX
1080Pの解像度では、特に違いを感じられませんでした。
▼画像の左側部分は3倍ズームしてます。
サイズ比較 vs GoPro MAX
▼全て実測値です。
赤字:優れている
HERO9+MAXレンズ | GoPro MAX | |
---|---|---|
幅 | 70mm | 61mm |
奥行 | 44mm | 44mm |
高さ | 49mm | 72mm |
重量 | 223g | 208g |
なんと…GoPro MAXの方が軽い。
▼公平を期すために、GoPro MAXは片面のレンズカバーを装着した状態。レンズの突起部分までを計測。
▼横から
▼レンズの大きさの違い
▼GoPro MAXの重量
MAXレンズモジュラーの検証結果
▼検証の結果は次のとおりです。
- 画角優先ならGoPro MAX
- 画質優先ならHERO9+MAXレンズ(たぶん)
- 運用性ならHERO9+MAXレンズ
①の画角は検証した通り。
ワイコンとして買ったけど、思ってたんと違った!って人は絶対に多いと思います。
②の画質ですが、2.7Kで撮影できるHERO9の方が良いでしょう。
③の運用性について。
自分の声も入れたいモトブロガーさんにとっては「HERO9+MAXレンズ+外部マイクアダプター」で、従来機種と同じ運用ができるのが最大のメリット。
ただし、外部マイクアダプターやメディアモジュラーを付けると、防水ではなくなります。
一方、画角の優れるGoPro MAXは外部マイクが繋がらないので、自分の声も録音したいモトブロガーさんは、ひと工夫必要。
▼詳細は関連記事をご覧ください。
HERO9+MAXレンズモジュラーのデメリット
▼使ってみて思ったMAXレンズモジュラーのデメリットは3つ。
- 重い
- かさばる
- ほとんど画角は広くならない
前提として、モトブログ目線でこの記事を書いています。
まず、MAXレンズは画角を広げる「ワイドコンバーター」と期待して買うと絶望します。
肝心な画角の広さはGoPro MAXの方が有利。
そして、レンズ装着時の出っ張り具合はかなり邪魔で気を使う。
重量はかなりずっしりとします。
HERO9+MAXレンズモジュラーのメリット
一方、メリットは以下のとおりです。
- 超広角で水平維持ができる
- 超広角で「ゆがみ」の無い映像が撮れる
① 超広角で水平維持ができる
標準レンズで水平維持が使えるのは「リニア」のみです。
リニアの画角は19〜34mm。
検証動画をみていただければ分かると思うのですが、「リニア」は画角が狭すぎで「ゆがみ」も目立ちます。
なので、水平維持を使いたいのならMAXレンズモジュラーは必須。
② 超広角で「ゆがみ」の無い映像が撮れる
画角はGoPro MAXやHERO9標準レンズのSuperViewよりも狭くなるのですが、それでも他メーカーのアクションカムより広角。
広角マニアならMAXレンズモジュラーは必須でしょう。
【まとめ】画角優先なら微妙だが「HERO9には必須」オプション
この製品を検討している人って、画角が広くなることを期待しているのではないでしょうか?
でも、使ってみて分かりましたが、画角は広くなりません。
ちょっと残念な製品です。
しかし、メリットを考えるとHERO9のオーナーであれば必須オプションであることは間違い無いでしょう。
以上、参考になれば幸いです!